生命保険に加入する際に、ほとんどの場合で自分の健康状態について告知する必要があります。
この告知が正しいものであれば問題ないのですが、もし事実と違う内容だった場合は告知義務違反となり、保険金や給付金を受け取れなくなったり、契約自体がなくなってしまうという可能性が出てきます。
このページでは告知の内容、違反するとどうなるのか、告知が間違っていた場合の対処法などについて解説していますので、これから生命保険に加入するという方は一度チェックしておくと良いでしょう。
生命保険に加入する際は健康状態などを告知する義務がある
基本的に生命保険や医療保険に加入する際、自分の健康状態について告知・健康診断書の提出、または医師の診査を受ける必要があります。
そしてこの告知は事実を正確に伝えなければいけないという義務があるのです。
何故このような面倒な告知が必要なのでしょうか。
そもそも保険というものは自分を含めた加入者全員が保険料を出し合い、病気や死亡時にまとまったお金を受け取れるという「相互扶助の精神」で作られたものです。
皆の公平性が保たれるように一定の健康条件をクリアした人同士でお金を出し合い、年齢や性別に応じて不公平にならないように細かく保険料を区別しているという背景もあります。
そんな中に、死亡リスクが高い持病を持った人が加入したらどうでしょうか。
リスクを抱えた人ばかりが保険金や給付金を受け取れる機会が増えるのは目に見えているため、健康な人が損をしている形になってしまいます。
つまり公平性がなくなってしまうのですね。
そのような事態を防ぐために、保険加入者には健康状態について告知をする義務があるのです。
ちなみに、一部の保険で告知が必要のないものもあります。
個人年金保険と一時払い終身保険がそれに該当します。
ただし、商品によっては告知が必要なケースもありますので、加入を検討する際は必ず確認するようにしてください。
どのような内容を告知するのか
告知内容は大きく分けて2種類あります。
加入者の身長や職業などの一般的なものと、健康状態に関するものです。
一般的な質問
これらの情報は太りすぎや痩せすぎ、危険な職業に就いていないかなどを判断する材料となります。
健康に関する質問
質問は保険商品によって異なりますが、大体このような内容となっています。
これらの質問に「はい」か「いいえ」、または「指摘あり」か「指摘なし」で回答していきます。
該当する部分がある場合は詳細を記入することもあります。
また、女性の場合は現在の妊娠状況や、過去5年以内に妊娠・分娩に伴う異常で入院・手術を受けたことがあるかなども聞かれるケースもあります。
告知義務違反をするとどうなるのか
例えば思い違いによる間違いであったとしても、事実と異なる告知をしてしまうと告知義務違反となり、保険金や給付金等が支払われなくなってしまいます。
また、違反の内容が重大な場合は保険契約自体を解除される可能性も出てきてしまいます。
この場合、すでに支払い済みの保険料の払い戻しや解約返戻金の支払いもなくなってしまいますので、大きな支払い損になってしまいます。
保険でリスクに備えるつもりが、逆に金銭面で大きなダメージを受けてしまうという結果になるのは避けたいところですよね。
そのような事態を避けるためにも、「これは書かなくていいかな・・?」と自分で判断することはやめ、ありのままを正確に記入するようにしましょう。
また、もし過去の治療歴を忘れていたり、記憶が曖昧になっている場合は、必ず病院や医師に確認してから記入してください。
告知義務違反をしてしまった場合の対処法
後になって申告漏れに気付いた場合はどうすれば良いの?と心配される方もいるかと思いますが、訂正はいつでも問題なく行うことが出来ます。
申告漏れが分かった時点ですぐに保険会社のコールセンター、または担当の営業さんに連絡し、事実を伝えるようにしましょう。
その際、口頭で伝えるだけでなく、再度告知書へ記入するか、または医師の診察が必要になることもありますので、その保険会社の指示に従って手続きするようにしてください。
また、後から正しい治療歴や病歴を申告をすることで保険金が削減されたり、保険料が割増する可能性が出てきてしまいますが、正しい告知をしないままだと告知義務違反に該当してしまい、保険金や給付金等が支払われなくなったり、保険契約が解除されたりと、より大きな損に繋がってしまいます。
そのことを考慮すると、やはり後からでも正確な告知をするのが間違いない選択と言えます。
まとめ
この記事では告知義務違反をした場合にどのような事態に陥るのか、そして告知漏れをした場合の対処法などについて解説してきました。
人によっては病歴を言いたくなかったり、「このくらいの通院は告知しなくても良いのでは?」と思ってしまうこともあることでしょう。
ですが、告知をしないことによるデメリットが非常に大きいため、些細なことでもありのまま正直にお伝えするのが良いでしょう。
もし通院や入院の記録が正確に分からない場合は、迷うことなく病院に確認を取るようにしましょう。
ちなみに、正直に告知した結果、何らかの健康的理由で保険に加入できなかったという場合もあるかもしれません。
その場合、持病などを持っている方でも入れる「引受基準緩和型保険」には入れる可能性がありますので、もし通常の保険に加入できない場合はそちらの方も検討してみてください。