保険を見直すタイミングはいつ?見直しする際の注意点についても解説

生命保険や医療保険は一度加入したらそれで終わりという訳ではありません。

例えば新卒時に適した保障内容と、小さい子供が二人いる家庭に適した保障内容は大きく異なります。

そして子供が独立した場合、それまで必要だった保険が要らなくなるかもしれません。

つまり、ライフステージごとに必要となる保険、保障内容が変わっていくのです。

そのため、ライフステージが変わるタイミングで保険を見直してあげることで、今の状況に最適な保障を得ることができるのです。

このページではどのタイミングで保険の見直しをするべきか、そして見直しする際の注意点について解説しています。

ライフステージが変わり、保険を見直しすべきかどうか迷っている方は是非見ていただけたらと思います。

見直しすべきタイミング

保険の見直しをすべきタイミングは定期的に訪れます。

適切に見直しをすることで日々の安心感や保険料の節約に繋がります。

就職した時


新社会人になったばかりの頃はあまり多くの保険は必要ありませんが、親の庇護を離れた者として、何かあった際に自分で責任を取れるように最低限の保険は検討しておくのが良いでしょう。

例えば終身保険なら死亡保障を得られるだけでなく、将来に向けた貯蓄にもなります。

自分で貯金がなかなか出来ないという方も、終身保険に入って半強制的に貯蓄をしていくというのもアリです。

また、日本人の2人に1人はがんにかかっているというデータもあるため、もし親や祖父母ががんにかかったことがある、またはがんで亡くなっているという場合は、この段階でがん保険や医療保険への加入も検討しておくのも良いでしょう。

結婚した時


結婚後はこれまでとは違い、二人での生活になります。

そのため、自分にもしものことがあった際に、配偶者が生活に困らないように保険に加入する、または見直しておくことも大切です。

仮に結婚を機に妻が仕事を辞めた場合、夫側が生命保険に新たに加入したり、死亡保障額を上げたりすることで、遺される側が生活に困ることも少なくなります。

また、病気やケガなどで大きな支出があったり、収入減になることに備えて、医療保険やがん保険への加入も検討しておきましょう。

それと、保険金の受取人が親になっている場合、結婚を機に受取人を配偶者に変えるなどの見直しも必要となります。

妊娠前~妊娠中


妊娠を考えている女性の方は、この時期だけでも医療保険への加入、見直しを真剣に検討しておきましょう。

何故なら、普段と違って妊娠時特有のトラブルが起きる可能性が出てくること、そして妊娠前から医療保険に加入しておけば、その妊娠を原因とした疾病による入院や帝王切開などの異常分娩をしっかり保障してくれるからです。

妊娠してから加入すると、その妊娠や出産に関連する入院や手術は保障の対象外となるなど、保障に制限がかかってしまうのが一般的なのですね。

ただし、少額短期保険などの一部の医療保険では、妊娠発覚後に加入しても保障してくれるものもあります。

保険料が1年ごとに値上がりする、保障内容が少し弱いなどのデメリットはありますが、妊娠前に医療保険に加入しなかった方はそのような保険も検討すると良いでしょう。

出産後~子育て中


子供ができると家族が増える喜びで溢れる一方、生活費や教育費、医療費といった金銭面での負担が増え、働き手にもしもの事があった時の経済的ダメージがこれまでよりも大きくなってしまいます。

そのため、万が一に備えて定期保険や収入保障保険、終身保険などの死亡保障に新たに加入、または保険金額を上げるなどの見直しが必要になってきます。

また、子供の成長に従って小学校・中学校・高校・大学の入学金や授業料が必要になってきますので、これらの学費を貯めるために学資保険への加入も検討しておきましょう。

学資保険は働き手に万が一があった時には保険料の払い込みが免除されますし、払った保険料よりも多くの学資金を受け取ることができるため、貯蓄よりも効率よく学費を貯めていけます。

自営業になった時


会社を辞めて自営業になる方も少なくないと思いますが、自営業になる際は保険の見直しが必要になってきます。

何故なら、会社員と自営業とでは公的保障に大きな差があるからです。

例えば会社員であれば傷病手当金(病気やケガで会社を休んだ場合に給料の約2/3が支給される制度)があるので、最長で1年6ヶ月までは病気やケガで会社を休んでもお金が入ってきますが、自営業になるとこの傷病手当金を受けることができません。

そのため、病気やケガで働けなくなった時に備えるためには就業不能保険が必要になってきます。

また、障害年金や遺族年金も会社員と比べると保障が弱いため、死亡保障を手厚くしたり、医療保険を充実させたりといった見直しも必要になってくるでしょう。

会社員の感覚でいると、何かあった時に保障が足りなくなる可能性があるので、この点は注意しておきたいところです。

住宅を購入した時


住宅を購入する場合は住宅ローンを組むことがほとんどだと思いますが、多くの金融機関では住宅ローン契約時に「団体信用生命保険」への加入を必須としています。

団体信用生命保険とは、契約者が死亡・高度障害状態になった場合に、その保険金で住宅ローンを完済してくれるという保険です。

万が一があった場合の住宅費については心配する必要がなくなるという訳ですね。

そのため、もし死亡保険に住宅分の保障も含めていた場合は、見直しすることで保障を減らすことも出来ます。

子供の独立~リタイヤまで


子供が社会人へと独立することで学費を捻出しなくても良くなり、さらに別世帯になれば生活費も減ります。

そのため、これまで働き手に掛けていた生命保険の保険金額を減らすといった見直しをして、保険料を抑えることを検討するのが良いでしょう。

また、老後に向けて健康状態を確認し、必要であれば医療保険やがん保険の見直しもすると良いでしょう。

老後資金を増やすために個人年金保険であったり、iDeCoやつみたてNISAなどの制度の利用も検討してみてください。

保険の更新時期が来た時


定期保険などの更新型の保険に加入している場合、更新の時期になると連絡(ハガキや電話)が来ますが、更新の時の年齢に合わせて保険料が変更されるため、保険料が上がってしまう可能性が高いです。

もし高くなった保険料で家計が切迫されることが予想されたり、またはその保険の必要性を感じなくなっているのであれば、更新のタイミングで見直しをするのが良いでしょう。

また、加入している保険全体の保障を減らす・または増やす必要性を感じていながらも、これまで忙しいなどの理由で見直しをしてこなかった場合、このタイミングで思い切って保険全般の見直しをしてみることをお勧めします。

経済(収入)状況が変わった時


今の仕事を一生続けているという保障はありませんし、病気やケガで仕事が出来なくなることもあります。

何かのきっかけで収入が落ち、経済状況が厳しくなった場合は、すぐに保険の見直しをして支出を減らすことをお勧めします。

逆に収入が上がった時は、保障を増やしてより安心を得るというのも良いでしょう。

見直しをする際に注意すべき点


保険の見直しをする際、気を付けておくべきポイントがいくつかあります。

そのポイントを知らずに見直しをすると後悔する事態になりかねないので、以下の点は注意しておきたいところです。

保障期間が切れないようにする

保険を見直して乗り換えをすることになった場合、保障期間が切れないように注意が必要です。

基本的に、生命保険契約による保障を受けるためには

1 契約申込み
2 告知・診査
3 第1回保険料充当金の払込み


これらの手続きが終了し、生命保険会社が契約を承諾した場合に保障が開始されるようになります。

そのため、新たに加入する保険の保障が開始する前に、これまで入っていた保険を解約してしまうと、保障期間が途切れる期間が存在してしまうのです。

この期間に何かあった場合、当然ですが保障の対象外になりますので、「新規保険の保障開始→これまでの保険を解約」という手順は必ず守るようにしましょう。

また、がん保険の場合は加入から90日間または3ヶ月は免責期間となり、この期間はがんになったとしても保障されませんので、がん保険(またはがん特約付きの医療保険)を乗り換える場合はこの点も注意してください。

貯蓄型保険の途中解約に注意

貯蓄型保険は途中で解約すると元本割れとなり、払った保険料よりも少ない返戻金しか受け取れない商品もあります。

特に最近主流となっている低解約返戻金型終身保険の場合、保険料の払込が満了する前に解約すると返戻率が70%程度しかないという仕組みになっているため、見直しの際はその点をしっかりと確認し、むやみに解約をしないようにしましょう。

健康状態によっては加入できない保険も

健康状態や過去の病歴によっては新たに保険に加入できないか、または不利な条件でしか加入できない可能性があります。

ずっと健康体でいたのなら問題はありませんが、過去数年間の間に病気で手術や入院などをしている場合、新規加入が思うようにいかなくなる場合があるという点は注意が必要です。

もし病気の前から加入している保険がある場合、むやみに解約しないようにしましょう。

まとめ

今回は保険の見直しをするタイミングと、見直しする際の注意点について解説してきました。

ライフステージが変わるごとに必要となる保険や保障内容が変わりますので、その時が来たら見直しをして適切な保障にしておくのがベストです。

また、見直しをする際はいくつかある注意ポイントをしっかりと把握しておくことで、重大な失敗をしなくなるでしょう。