終身保険を選ぶ際、数ある保険会社の中から「これに入りたい!」という商品は見つかったけど、肝心の保障内容はどう選べば良いのか分からない・・という方も少なくないのではないかと思います。
そのような方に向けて、このページでは「保険金額はいくらが良いのか」 「保険料払込期間はいつまでが良いか」 「受取人は誰にすべきか」など、加入する前に絶対に知っておきたい点について解説していきます。
すでに入りたい商品は決まっているけど、どういう内容で契約すべきか悩んでいる方は是非とも参考にしていただければと思います。
※まだ終身保険はどれを選ぶべきかで迷っている方はこちらのページを参考にしてみてください。
保険金額はいくらにすべきか
終身保険に加入する際に、迷うことの一つに「保険金額はいくらにするべきか」というのがあります。
これは難しいように思えますが、基本的には「死亡保険に加入する目的」を明確にするとかなり決めやすくなります。
例えば「自分の葬式代」を遺族のために用意する場合、お住いの地域や規模にもよりますが、葬祭費用の相場は200万円くらいと言われているので、そのくらいの保険金額に設定しておくのが良いでしょう。
もしお墓も用意する場合はプラス150万円が相場と言われているので、350万円くらいの保険金額を用意しておけば安心と言えます。
また、葬祭費用だけでなく、遺された家族の生活費や子供の学費まで死亡保険で備えたいという方も多いと思います。
その目的の場合に注意しておきたいのが「終身保険の保険料」です。
終身保険は貯蓄性があるので、払った保険料が損になりにくいという魅力的な面があるものの、保険料が高いという一面も持っています。
つまり、遺された家族の生活費や子供の学費まで含めて終身保険で用意しようとした場合、支払う保険料がかなり高くなってしまうということです。
経済的に裕福な家庭の場合は全ての保障を終身保険で備えるという方法も選択肢に加えられますが、一般的な経済状況の家庭の場合、全てを終身保険で備えるのはあまり得策とは言えません。
そのため、貯蓄や遺族年金だけでは足りなくなる分を予想したら、まずは終身保険で葬儀費用分を確保し、足りない分を定期保険や収入保障保険といった「掛捨てだけど保険料が安い死亡保険」を併用するという方法もお勧めです。
保険料払込期間はいつまでが良いか
保険料を払う期間をいつまでにするかという点についても考える必要があります。
基本的に終身保険の保険料払込期間は
※どちらも保障期間は一生涯
この2つのパターンがあります。
終身保険の払込期間をいつまでにするかは、この2パターンの特徴をよく理解してから決める必要があります。
まず短期払いですが、10年間や15年間などの決まった年数、そして60歳や65歳などの決まった年齢までに保険料を払い終える仕組みとなっています。
短期払いでは払込期間が短いほど1回の保険料が高くなります。
例えば100万円を15年間で支払うよりも、10年間で払う方が1回で支払う分は高いという理屈ですね。
ですが、実は払込期間が短いほど支払う保険料の総額は安くなるため、解約した場合の返戻率も高くなるという特徴があります。
つまり、短い期間で払い終えるほどお得になるということですね。
なので、より貯蓄性を重視してコストパフォーマンスを高めたいという目的の場合、出来るだけ保険料払込期間を短くした方が良いのです。
ただし、短いほど1回の保険料が高くなるため、無理に短い期間にしても途中で払えなくなったら意味がありません。
経済状況を見て家族と相談しつつ、無理のない範囲で決めるのが良いでしょう。
そして終身払いですが、一生涯保険料を払い続けるという仕組みのため、1回分の保険料がかなり安くなっているという特徴があります。
なので早い段階で契約者に万が一のことがあった場合は支払う保険料の総額は少なくなりますが、長生きした場合は支払う保険料の総額が高くなってしまうという注意点もあります。
ちなみに平均寿命を超えて長生きした場合、短期払いよりも支払う保険料の総額は高くなるケースが多いです。
人間、いつまで生きれるのかは誰にも分かりません。
そのため、コスパを重視したい場合はご自身の家庭の経済状況でいくらまでの保険料なら許容できるか、または保険料は出来るだけ安くしておいて他の保険商品や投資へ回すかなど、終身保険へ加入してどのように運用したいか?を見つめ直すと決めやすくなるかと思います。
ちなみに、現在多くの保険会社では一般的な終身保険として「低解約返戻金型」を発売していることが多いですが、この低解約返戻金型は保険料払込期間を過ぎるまでは解約返戻率が70%に抑えられているという特徴があります。
つまり低解約返戻金型終身保険を終身払いで契約した場合、いつまでも解約返戻率が100%を超えることがなく、常に元本割れの状態になっています。
途中で解約して老後の資金や子供の学費に回したいと考えている場合、そもそも終身払い自体が向いていないことになりますので、短期払いを検討すべきと言えます。
保険料の払込方法はどれを選ぶべきか
保険料の払込方法(回数)にはいくつかの種類があります。
生命保険は基本的に、まとめて支払う方が一度に払う保険料は高くなりますが、保険料払込期間まで払った場合の保険料総額はまとめて支払う方が安くなるという特徴があります。
つまり、月払だと一度に払う保険料は安いけど、最終的に支払う保険料の総額が高くなる。
そして年払だと一度に支払う保険料は高いけど、最終的に支払う保険料の総額は月払や半年払よりも安くなるのです。
なので、よりコストパフォーマンスを高めたい場合は半年払や年払など、まとめて払い込む方法を選択した方が良いということですね。
ただし、まとめて払うほどに一度に支払う保険料は高くなるので、1回分の負担は増えます。
もし毎月の貯蓄が苦手だという方や、生命保険の保険料まで管理しきれないという方は、月払にしておいて毎月強制的に引き落とされる方法を選ぶのもアリかと思います。
また、クレジットカード払に対応している保険会社もあります。保険料をクレジットカードで払った場合、還元率に応じてポイントを受け取ることが出来るため、ほんの少しだけお得になります。
クレジットカード払に対応していない保険会社も多く、さらに保険料に上限があるなどの制限があったりしますが、もし利用できるなら積極的に検討するのも良いでしょう。
受取人は誰にすべきか(税金対策)
終身保険は契約者や被保険者、保険金受取人を誰にするかで、税金の種類が変わってしまいます。
契約者 (保険料を払う人) |
被保険者 (保険の対象になる人) |
保険金受取人 | 税金の種類 |
夫 | 夫 | 妻or子供 | 相続税(とても安い) |
夫 | 妻 | 夫 | 所得税 (税額は普通) |
夫 | 妻 | 子供 | 贈与税 (かなり高い) |
この表は死亡保険金を受け取る場合のものですが、相続税だと税金が比較的安くなり、所得税の場合は普通、そして贈与税になる場合はかなり高い税金になってしまいます。
そのため、基本的には相続税になるような設定にしておくと、余計な支出を抑えることができます。
契約者(保険料を払う人)と被保険者(保険の対象になる人)を同一人物(ここでは夫)にしておき、保険金受取人を配偶者(ここでは妻)または子供にしておくことで税金が相続税になりますので、かなりの節税に繋がるのです。
契約者・被保険者・保険金受取人が全て異なる場合は贈与税となり、かなり税金が高くなる可能性があるため、この点を意識しつつ契約すると良いかと思います。
また、この表はあくまでも死亡保険金の税金を表したものです。
途中で解約した場合の解約返戻金については基本的に契約者(ここでは夫)が受け取ることになるため、被保険者や保険金受取人が誰であろうと関係なく、一時所得として所得税がかかることになっています(この表でいうと真ん中)。
まとめ
今回は終身保険の保障内容について解説しましたが、死亡保険に入る目的は何なのかをハッキリさせることで自分や家族に必要なものが分かり、自然と保障内容も決めやすくなるでしょう。
終身保険は加入時の年齢が上がるほど支払う保険料の総額が増えていきますので、万が一に備えて早めに検討しておくことをお勧めします。
また、まだ契約したい商品が決まっていない場合はこちらのページで選び方を解説していますので、合わせて参考にしてみてください。